序章(第1話相当)

拝啓、お母さん、お父さん。
私が桜華学園の生徒になって1年が過ぎました。
去年1年は本当に色々な事があって、私という人間が90度、とは言わないけれど、60度近くは変えられたような気がします。

それまでの閉じこもりがちだった弱い私。
それは多分今でも変わっていないけれど―






―でも、今なら。


閉じた扉の先へ飛び出して行ける
そんな気持ちが体中から溢れ出て仕方がないのです。

学校の名前とは裏腹に、今年の桜はもう散りかけているけれど。


きっと、充実した1年になるだろう。
そんな気持ちが溢れ出て、仕方がないのです。