本編再開
きーんこーんかーんこーん
チャイムが6限目の終了を告げる。
智亮「あ〜〜〜今日も乗り切ったで〜〜〜〜」
友希「まだ1日は終わってないでしょー」
智亮「勉学というものだけで俺の1日の8割以上の体力が奪われるんや・・・」
友希「もう、だらしないんだから〜。ほらっ、一緒に帰ろっ。」
帰り道。といっても学園の敷地内。
二人は歩く。
以前、二人がそうしていたように。
しばらくは無言だったが、やがて、友希が話を切り出す。
友希「・・・そういえば、こうやって並んで歩くのも久しぶりだね。」
智亮「いや、今朝以来だからそんなに久しぶりじゃない。」
友希「・・・そうだね。」
一旦会話が途切れるが、友希が続ける。
早足で駆けていき、振り返って智亮を見て・・・
友希「ねぇ、私が戻ってきたこと、嬉しい? それとも・・・迷惑?」
智亮「いや、大歓迎や。」
友希「・・・ありがとう。実は、結構心配だったんだ。 私、急に留学したでしょ?それでまた急に帰ってきだから、怒ってるんじゃないかって。」
智亮「そんなことない。友希は俺の支えやから。二人一緒でちょうどいいんや。」
友希「・・・そう言ってもらえると嬉しいよ。これからはずっと一緒だからね。」
智亮「・・・当然や。友希は俺の許嫁や。」
友希「そうだね。」
秋風に吹かれてなびく髪。
二人は歩く。
これから始まる長い長い道を。