本編再開
智亮「・・・・・・で、これはどういうことや。」
朝のホームルーム。
智亮の隣の席には・・・
友希「何って、同じクラスだね、って。」
智亮「・・・友希って何歳や?」
友希「15歳だけど、どうかしたの?」
智亮「確か誕生日はまだやから今年で16歳・・・って、やっぱり学年違うやないか。」
指を折りながら計算する智亮。
友希「でも、前の学校で高校1年の課程は終了してるよ。だから大丈夫。」
ますます話がややこしくなるが、つまりはこういうことだ。
智亮「中学3年を飛び級したのか・・・?」
友希「まぁ・・・そういうことになるかも。」
智亮「意外な話やな・・・昔っから頭の回転だけはいいことは知ってたけどなぁ。」
友希「ふふ、ちょっとは尊敬した?」
智亮「いや、前から成績は『意外と』良かったから特になんも。」
友希「うわっ、別に強調しなくてもいいじゃないのよっ。」
智亮「本当に『意外』なんやもん。」
(本当はちょっと悔しいだけなんだけどなぁ・・・)
友希「・・・いじわる。」
お互いにらみ合って、ほぼ同時に吹き出した。
(ああ、これが友希といる時のいつもの日常なんや・・・。)
幼い頃は、二人一緒にいることが当たり前と化していた。
それゆえ、友希がカナダ留学すると言い出した時には戸惑ったものだ。
ずっと一緒だと思っていたのに、友希はそんな自分を通り越して、その先の将来を見つめていたという事実に驚かされ、焦ったものだ。
いつしか友希は、智亮にとって心の支えとなっていたのかもしれない。
当の本人は、気付いていないであろうが・・・。