本編再開
私達の寮には、大きな庭があります。
夏休みの間は、ここで皆さんと話をするのが私にとって幸せな時間です。
由佳梨「宿題、まだ結構残ってるんだよっ・・・」
智亮「そういう時は、始業式当日に提出するものを先に片付けて、次に授業開始日に授業がある教科からやっていくとええで〜」
弘美「やり方を心得てるねっ☆」
孝之「自慢できる物でもないけどな。」
雅「あら、中学生の頃はあなたもいつもそうじゃなかったかしら?」
孝之「い、いや!そんなことは・・・・・・ある。」
由佳梨「あれ、副会長にもそんな時代が・・・」
孝之「別に俺は完璧な人間じゃないぞ・・・。」
がさっ。
菜々「・・・・・・あ。」
急に後ろを振り返る菜々。
弘美「ほえ?」
由佳梨「どうしたの?」
菜々「・・・・・・誰かいる。」
音がした方向へ歩み寄る菜々。
そして、音がした場所へたどり着いたその時。
???「ともあきく〜んっ!!」
菜々「・・・!?」
人陰は隠れていたその場から急に飛び出して・・・猛スピードで・・・智亮に激突。
智亮「のわっ!?」
???「ああっ!ともあきくんっ! ちょっとぉっ、誰がこんなことを!」
由佳梨「・・・あなたです。」
孝之「お前だ。」
菜々「・・・自業自得。」
弘美「暴走機関車だねっ☆」
雅「あらあら。」
5人はほぼ同時に答えた。
智亮「うぉ・・・死ぬから上に乗るな・・・ユキ。」
???「あ、ごめんごめん〜久しぶりに会えたから嬉しかったの。」
ユキと呼ばれたその人物は、智亮の上から飛び退いた。
弘美「ゆき?」
由佳梨「智亮先輩、お知り合いですか?」
5人が頭に?を浮かべながら一斉に智亮を見る。
智亮「知り合いって言うか・・・まぁ・・・。」
???「またまた〜照れちゃってぇ。 しょうがないから私から言うね。」
友希「私の名前は、近江友希(おうみ ゆき)。15歳です。9月からこの学校に転校することになってます。」
由佳梨「友希さん・・・智亮先輩のお友達ですね。」
智亮「まぁ・・・そんなところや・・・」
友希「ちょっと、智亮くん、違うでしょ〜」
由佳梨「え、違うんですか? じゃあ、2人は生き別れた兄妹だとか、昔戦場で一緒に戦った友だとか・・・」
孝之「テレビの見過ぎだ・・・現実味無さすぎだろ。」
智亮「近いところはあるで・・・」
5人「・・・え?」
5人は知らない、この後の重大発言を。
智亮「友希は・・・俺の許嫁なんや。」