本編再開
極上予想議会の執行委員である。
それだけで、違った目で見られてしまうものなのです。
「会長とどんなことを話すの?」
「会長と副会長って、どれくらい仲がいいの?」
「会長って、寮に帰ってからは何をしているの?」
教室でクラスの皆さんに聞かれるのはそんな話ばかり。
由佳梨「ごめんなさい・・・詳しい事は分からないの。私、まだ入ったばっかりだから。」
私がそう言うと、なんだぁ〜と言って自分の席に戻ってゆく。
クラスの皆さんから見て私は所詮、会長の行動の報告係に過ぎないみたいで。
そんなこんなで、放課後。特に今日は用事がないので、私は寮に帰る事にしました。
広い敷地を歩き、執行委員専用出口から出ようとした時。
私を呼び止める1人の女子生徒。
弘美「ゆ、か、り、ちゃん☆」
由佳梨「あ、弘美さんじゃないですか。どうしたんです?」
弘美「ゆかりちゃん、今、暇してたでしょ?」
由佳梨「ぇ、ま、まぁ・・・・・・」
弘美「じゃあ、ちょっと一緒についてきてくれないかな〜?」
由佳梨「・・・いいですけど、どこへ?」
弘美「行ってからのお楽しみっ☆ それじゃ、ついてきてね〜」
(弘美さんが私に何の用事なのかなぁ。)
私は疑問に思いながらも、ついて行くことにしました。
弘美さんと歩く道。
なんだか、弘美さんがいるだけで周りが明るくなってゆく気がしました。
10分ほど歩いたところで、弘美さんは足を止めました。
弘美「じゃ〜ん!到着〜!!!」
ここは・・・・・・・・・・・!
由佳梨「・・・・・・・スーパー?」
弘美「うん、スーパー☆」
由佳梨「スーパーに何の用事が?」
弘美「うんとねぇ、買い出し☆」
由佳梨「なんだ、何かと思えば荷物持ちですか。」
弘美「御名答☆ じゃあ、行こうかっ☆」
私たちは、スーパーの中へ入っていきました。
弘美さんが買ったものは、今晩の食材と、お菓子、飲み物。
寮で食事を作るのは全て弘美さん。
だから、弘美さんらしい買い物だなぁ、と思っていたのは最初だけ。
由佳梨「あの・・・・・・。」
弘美「なぁに、ゆかりちゃん☆」
由佳梨「食材の量、多くないですか・・・・・・・」
スーパーのビニール袋4つ分。しかも全てほぼ満杯。
すると、弘美さんは。
弘美「うふふ、これでも1日分だよっ☆」
と、笑って言いました。
(1日分?あれ、そんなに食べる人、執行委員の人でいたっけ・・・?)
考える私を見て、弘美さんは一言。
弘美「うふふ、後で分かるよっ☆」
と。
寮に戻った私を待っていたのは、執行委員の皆さんと、委員の人達。
何やら、皆さん私を見ているようなんですが・・・。
由佳梨「ふ、ふぇ・・・・・・?」
もしかして私、また何かしたのでしょうか?
しかも今度は、副会長だけでは済まず、議会全体に関わる重大なミスを犯したのですかっ!?
でも、雅さまはにっこりと笑っているだけ。
そして、私の方へ歩いてきてました。
由佳梨「あ、あの・・・・・・」
ご、ごめんなさい雅さま!私、また何かしてしまったのですね・・・
しかし、思っていても口に出来ない私。
すると、雅さま、笑いながら左手に持っていた何かを、私の方に向けて右手で引っ張りました。
パァンッ!!!!!
何事!?と思った私の目の前には、雅さまがいて。
雅「極上予想議会へようこそ、星村由佳梨さん。
ちょっと遅れてしまったけど、今夜はお祝いよ。」
由佳梨「え・・・?」
お祝い?
え、何の!?
困惑している私を見て、今度は副会長。
孝之「新任の執行委員の歓迎会だ。まぁ、今夜ぐらいは派手に騒いでもお咎めなしさ。」
じゃぁ、弘美さんは・・・。
そう思って、弘美さんの方を見ると。
弘美「うふふ、買い出しはこのためだったんだよ☆」
と。
智亮「なんや、当の本人に買い出し行かせたんかいな。」
弘美「うん。ごめんねゆかりちゃん、何も言わなくて。事前に言っちゃうとつまらないでしょ?」
由佳梨「・・・・・・。」
弘美「あ、あれ?ゆかりちゃん?」
由佳梨「う、うぇぇぇぇぇ〜〜〜〜〜〜ん!!!!!!ありがとうございます〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!!!!!!!!」
弘美「わわ、ゆかりちゃんが泣いちゃった〜」
智亮「おやおや、よっぽど嬉しかったんやな。」
雅「歓迎会を計画した甲斐があるわ。」
菜々「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・仲良きことは、美しきことかな。」
星村由佳梨、15歳。高校1年生、極上予想議会書記。
今夜は、一生忘れられない日になりそうです。