イブ。
ひらり、ひらり。
白い妖精が空から舞い降りる。
やがてその小さな妖精は、地面にゆっくりと足をつけ、消えてゆく。
ふと、手をだしてみる。
妖精は僕のてのひらにも落ち、にっこりと笑って、消えた。
それはまるで君みたいで。
僕はただ、見つめることしかできなかった。
あの日の君を、抱きしめることもできなくて。
震える君に、手を差し伸べられなくて。
迷い込んだ妖精を、もう一度すくって。
帰り道を教えてあげたい。
だから今夜こそ、言おう。
「大好きだよ。」
二度と消えることのない、永遠の愛を、君へ。